AFモーターの種類と特徴 — USM・STM・リニアモーターの違い

AFモーターの種類と特徴 — USM・STM・リニアモーターの違い

公開: 2026年4月12日|更新: 2026年4月12日

「レンズの仕様に書いてあるUSMとかSTMって、何が違うの?」

レンズを選ぶとき、AF速度や静粛性はとても大切なポイントです。 でも、「USM」「STM」「リニアモーター」など、 モーターの名称がたくさんあって混乱しますよね。

実は、AFモーターの種類によってピント合わせの速さ・静かさ・滑らかさが 大きく変わります。スポーツ撮影なら速度重視、動画撮影なら静粛性重視... 撮影スタイルに合ったモーターを知れば、レンズ選びがぐっと楽になりますよ。

レンズのAFモーターとは

自動でピントを合わせる仕組み

AFモーターは、レンズ内部のフォーカスレンズ群を動かして 自動的にピントを合わせるための駆動装置です。 シャッターボタンを半押しすると、カメラがピント位置を計算し、 モーターがレンズ群を前後に移動させてピントを合わせます。

AFモーターの性能は、大きく3つのポイントで評価されます:

  • 速度: ピントが合うまでの時間。スポーツや動き物で重要
  • 静粛性: 動作音の大きさ。動画撮影で特に重要
  • 追従性: 動く被写体を滑らかに追い続ける能力

かつてはカメラボディ側のモーターでレンズを駆動する方式が主流でしたが、 現在はレンズ内蔵モーターが標準になっています。 レンズ内にモーターを搭載することで、より高速で静かなAFが実現できるようになりました。

モーターの種類一覧

主要なAFモーターの種類と特徴

現在のレンズに搭載されるAFモーターは、大きく分けて3つのタイプがあります。

超音波モーター(USM系) 超音波振動でリング状のローターを回転させる方式です。 高速なAFと、フルタイムマニュアルフォーカス(FTM)対応が特徴。 Canonの「USM」が代表的ですね。大口径レンズや望遠レンズに多く採用されています。

ステッピングモーター(STM系) 電気パルスで正確に回転角度を制御するモーターです。 動作が非常に滑らかで静かなので、動画撮影に最適。 小型化しやすく、エントリー向けレンズにも多く使われています。

リニアモーター(VXD/XD/DDSSM系) 最新世代のモーターで、回転運動を直線運動に変換するのではなく、 フォーカスレンズを直接直線的に駆動します。 超高速・超静粛・高精度を兼ね備えた、現在最も高性能なAFモーターです。 ミラーレス時代に急速に普及しました。

速度と静粛性の比較

写真撮影と動画撮影で求められる性能の違い

AFモーターに求められる性能は、撮影スタイルによって異なります。

写真撮影(特にスポーツ・野鳥)では、AF速度が最優先です。 一瞬のシャッターチャンスを逃さないために、 ピントが合うまでの時間は短いほど良いですね。 この用途ではリニアモーターリングUSMが圧倒的に有利です。

動画撮影では、静粛性と滑らかさが重要になります。 モーターの動作音がマイクに拾われてしまうと、映像作品としては台無しですよね。 STMやリニアモーターは動作音がほとんどなく、動画撮影に適しています。

性能USM(リング型)STMリニアモーター
AF速度高速中速超高速
静粛性やや音あり非常に静か非常に静か
滑らかさ普通滑らか非常に滑らか
動画適性

メーカー別のモーター名称早見表

各メーカーのAFモーター名称と対応

同じ技術でもメーカーによって呼び名が異なります。 レンズ選びで迷わないよう、主要メーカーの名称を整理しましょう。

Canon

  • Ring USM: 大口径・望遠レンズ向けの超音波モーター
  • Micro USM: エントリーレンズ向けの小型超音波モーター
  • STM: ステッピングモーター。動画対応のEF-S/EF-Mレンズに搭載
  • Nano USM: 超高速リニア型。RF/EFレンズの上位モデルに搭載

Nikon

  • SWM(Silent Wave Motor): 超音波モーター
  • STM: ステッピングモーター。Z DXレンズなどに搭載

Sony

  • SSM(Super Sonic Motor): 超音波モーター
  • DDSSM: 直接駆動型超音波モーター。大口径レンズ向け
  • Linear Motor: リニアモーター。最新GMレンズに搭載
  • XD Linear Motor: 高推力リニアモーター。高速AF対応

TamronVXD(リニア) / RXD(ステッピング) SigmaHLA(リニア) / HSM(超音波)

撮影スタイルに合ったAFモーターの選び方

あなたの撮影に合ったモーターは?

AFモーターの選び方は、撮影スタイルで決まります。

スポーツ・野鳥・動物撮影 → リニアモーターが最適 動く被写体を高速に追い続けるには、AF速度と追従性が命です。 Canon Nano USM、Sony XD Linear Motor、Tamron VXDなどを搭載した レンズを選ぶと、被写体を逃しにくくなりますよ。

動画・Vlog撮影 → STMまたはリニアモーターが最適 静粛性と滑らかなフォーカス移動が大切です。 USM搭載レンズは動作音が気になることがあるので注意しましょう。

ポートレート・風景 → モーターの種類はあまり気にしなくてOK 被写体が動かないので、極端な高速AFは不要です。 それよりも描写力やボケ味を優先して選びましょう。

中古レンズ選びのポイント: 古い超音波モーター(USM/SWM)搭載レンズは 経年劣化でAF速度が低下することがあります。 中古で購入する際は、AF動作音に異音がないか確認するのがおすすめです。

よくある質問

最大の違いは用途の方向性です。USMは高速AFを重視した設計で写真撮影向き、 STMは静粛性と滑らかさを重視した設計で動画撮影にも対応します。 最新のリニアモーターは両方の長所を兼ね備えています。

使えますが、モーターの動作音がマイクに拾われることがあります。 特にリング型USMは音が目立ちやすいですね。外部マイクを離して設置するか、 STMやリニアモーター搭載レンズを選ぶ方が安心です。

従来のモーターは回転運動をギアで直線運動に変換しますが、 リニアモーターはフォーカスレンズを直接直線的に動かすため、 変換ロスがなく、応答速度が格段に速くなります。

ミラーレスカメラでは基本的に使えません。一眼レフでも、 NikonのエントリーモデルなどボディにAFモーターを内蔵していない機種では マニュアルフォーカスのみになります。中古レンズ購入時は要確認です。